FRK会報
会報No.87(2007年SEPTEMBER)

平成20年度 国土交通省 税制改正要望事項(抜粋)

国土交通省では、この度、平成20年度の税制改正要望を発表しました。不動産関係税制にかかわる主な内容は、次の通りです。
1. 住宅長寿命化「200年住宅」促進税制の創設
【登録免許税、不動産取得税、固定資産税】

耐久性、耐震性及び可変性を備えた質の高い住宅の供給及び適切な維持管理等による住宅の長寿命化を推進するため、一定の基準に適合する認定住宅に係る登録免許税等について、従来の住宅に係る現行特例等と比べて税負担を更に軽減する特例措置を創設する。
* 新築住宅及び適切な維持管理等が行われた既存住宅の取得が対象

2. 住宅に係る省エネ改修促進税制の創設
【所得税、固定資産税】

地球温暖化防止に向けて家庭部門のCO2排出量の削減を図るため、既存住宅において一定の省エネ改修(窓の二重サッシ化や壁の断熱化等)を行った場合について、以下の特例措置を創設する。

○ 所得税

省エネ改修に要した費用の10%相当額(上限20万円)を税額控除

○ 固定資産税

3年間1/2に減額

3. エネルギー需要構造改革投資促進税制の延長及び拡充(エネルギー利用革新税制)
【取得税、法人税、法人住民税】

地球温暖化防止に向けて業務部門のCO2排出量の削減を図るため、エネルギー需要構造改革投資促進税制を拡充し、従来より対象としている個別設備に加え、省エネ効果の高い窓等の断熱と空調、照明、給湯等の建築設備から構成される「省エネビルシステム」等を新たに対象に追加する。

○ 法人税・所得税・法人住民税

特別償却30%(中小企業者等については、税額控除7%との選択が可能)

4. 住宅に係る耐震改修促進税制の拡充
【所得税】

耐震改修を一促進層するため、住宅に係る耐震改修促進税制の適用要件を緩和する。

5. 事業用建築物に係る耐震改修促進税制の延長
【所得税、法人税】

耐震性が確保された良質な建築物ストックの形成を促進するため、建築物の耐久化率を平成27年までに90%まで引き上げることを目標として、特例措置を延長する。

6. 新築住宅に係る固定資産税の減額措置の延長
【固定資産税】

住宅取得者の初期負担の軽減を通じて、良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、新築住宅に係る固定資産税の減額措置の適用期限を延長する。

○ 固定資産税

120m2相当部分につき、3年間(中高層耐火建築物である住宅については5年間)税額を1/2に減額

7. 住宅取得等資金に係る贈与税の特例措置の延長及び拡充
【贈与税】

世代間の資産の有効活用による住宅投資の活性化を図るとともに、住宅取得者の自己資金の充実による良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、住宅取得等資金について、相続時精算課税制度の非課税枠2,500万円に1,000万円を上乗せするとともに、65歳未満の者からの贈与も対象とする特例措置の適用期限を延長する。また、本特例の対象となる増改築等について、住宅のバリアフリー改修等を追加する。

8. 住宅に係る消費税負担の取扱いに関する措置
【消費税】

住宅に係る消費税の負担について、消費税を含む税体系の抜本的改革等を踏まえ、所要の措置を講ずる。

9. 新築住宅のみなし取得時期に係る不動産取得税の特例措置の延長及び拡充
【不動産取得税】

住宅の流通コストの軽減等を通じて、良質な住宅ストックの形成と居住水準の向上を図るため、新築住宅及び新築住宅用の土地に係る以下の特例措置の拡充及び適用期間の延長を行う。

○ デベロッパー等に対する新築住宅のみなし取得時期の特例措置(本則6か月→特例1年)の延長 
○ 新築住宅用の土地に係る不動産取得税の減額措置を受ける場合の土地の取得から住宅の新築までの期間要件に係る特例措置(本則2年以内→特例3年以内、100戸以上等の要件を満たす大規模マンションに限り4年以内)の延長及び拡充(4年→5年に拡充)

10. 振替特別法人債に係る非居住者等の受け取る利子に対する特例措置の創設
【所得税、法人税】

社債等の振替に関する法律に基づく振替特別法人債について、円滑な資金調達を図るため、非居住者、外国法人が受け取る利子に対して、所得税・法人税を非課税にする特別措置を創設する。

11. 高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制の延長
【固定資産税】

居住環境が良好な賃貸住宅の供給を促進するため、高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制の適用期限を延長する。

○ 固定資産税

120m2相当部分につき5年間税額を1/3に減額

12. 土地・建物に係る流通税の特例措置の延長
【登録免許税、不動産取得税】

土地・建物の取得コスト等を軽減することにより、不動産取引の活性化を通じた不動産流動化、有効利用の促進を図る観点から、土地・建物に係る流通税の特例措置を延長する。

13. Jリート及びSPCに係る登録免許税の特例措置の延長
【登録免許税】

不動産の証券化を推進し、不動産の流動化・有効利用を促進する観点から、Jリート等が不動産を取得しやすい環境を整備するため、Jリート・SPCに係る登録免許税の特例措置を延長する。

14. 不動産を信託した法人が信託期間中に法人の分割等を行った場合の信託財産の返還に伴う不動産取得税の非課税措置の創設
【不動産取得税】

委託者において法人の分割(地方税法第73条の7第2号の「政令で定める分割」に限る)または合併が行われ、その後、信託が終了し、当該不動産を新委託者に交付する際、新委託者の法人格が当初委託者と異なる場合であっても、地方税法73条の7第4号に該当するものとして、不動産取得税を非課税とする。

15. 地域活性化ファンド投資支援税制等の創設
【所得税、法人税、登録免許税、個人住民税、法人住民税、不動産取得税、固定資産税、都市計画税】

人口減少社会に対応した都市の中心部の有効利用の取組みを進め、地域の活性化を図るための税制上の特別措置を創設する。


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