FRK会報
会報No.87(2007年SEPTEMBER)

『図解不動産業 不動産M&A入門』

表紙画像 「不動産M&A」とは、株式取得による不動産(会社)売買。今注目されている不動産ビジネスである。

たとえば、東京・銀座の老舗店舗の場合。収益性が低いうえ、「資産価値が高いので相続税が心配」「一族を中心にした株主が多く意思決定が困難」「株主が高齢化し相続が複雑化」などの問題を抱えている。この場合に、土地を単純に売却すれば法人税等が約40%、そして残りを株主に配当すれば、株主には所得税等が最高50%課税される。すなわち、土地の売却益に対して株主の手取り額は約30%になってしまう計算になる。しかし、「不動産M&A」という道を選択すれば、株式の売買なので、株式売却益に対し税金は20%(所得税15%、住民税5%)の分離課税と、税金面ではかなり有利になる。

他方、買い手は、品薄な都心一等地の、しかも安定したニーズが見込める不動産が手に入ることになる。
このように、売り手・買い手の双方にメリットをもたらす「不動産M&A」の実現には、高度な知識と手続きが必要であり、しかもその手法は決して簡単ではない。

本書では、多くの事例を挙げ、合法的かつ明確な「不動産M&A」の仕組みをわかりやすく紹介している。マンガと解説文が用いられているので、実に理解しやすい。「不動産M&A」のメリットや注意点を詳述した本書を、売り手・買い手・仲介会社、どの立場にある人にもぜひ一読をおすすめしたい。

著者:本郷 尚(税理士)
発行所:(株)住宅新報社
価格:1,575円(税込)

[会報目次][税制改正][国交省税制改正要望]
[犯罪による収益の移転防止に関する法律][企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針]
[宅建業電子申請][金融商品取引法][実力アップ講座][安心して住宅を売買するためのガイドブック]
[会員の皆様へのお願い][FRKNOW][書籍紹介][INFORMATION]