『図解不動産業 不動産境界入門』
不動産取引におけるトラブルの一つに、境界をめぐる紛争がある。境界をめぐるトラブルは、ともすれば根深い問題を孕んでいる場合もあり、解決が難しいケースも多々見られる。
このトラブルを未然に防ぐには、仲介業者が、契約の前に物件の境界調査を丁寧に、かつ慎重に行っておくことが重要となる。
本書では、「境界が不明確な土地取引はトラブルのもと」とし、不動産の境界とは何かを解説するとともに、境界調査のやり方を詳述している。正しい境界を知るための資料調査と現場調査をどのように、どんな点に留意しながら行うのか――。本書を読み進めていくうちに、調査の手順や注意点が自然と理解できるよう、わかりやすく構成されている。また、公図や地積測量図の見方、現地での照合の仕方など、諸項目が具体性に富んでいる上に、押さえておくべきポイントがマンガで説明されているので非常に理解しやすい。さらに、境界の問題に関する「困ったときのQ&A」や「失敗例」を紹介したページもあり、仲介事業者にとっては大いに参考になるはずだ。
本書は、数多くの現場経験を重ねた土地家屋調査士が著した、まさに“使える”一冊といえよう。不動産業の従事者、特に初任従業者の参考書として、また不動産取引に関わる一般の人にも実用の書としてお勧めする。
著 者:西本孔昭(土地家屋調査士・土地区画整理士)
濱本眞人(土地家屋調査士・測量士)
マンガ:大嶽あおき
発行所:鰹Z宅新報社
価 格:1,575円(税込)
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