FRK会報
会報No.78(2006年MARCH)

平成18年度 事業活動の基本方針

平成18年2月24日に開催された第4回理事会において、平成18年度事業活動の基本方針が承認されました。本方針は平成18年度事業計画の骨格となるものです。以下にその要旨を掲載いたします。

本年度は、不動産流通の現場の実情を踏まえた税制・金融面や法改正等への政策提言と不動産流通活性化へ向けての調査研究の拡充、不動産流通市場の信頼を更に高めていくためのレインズ、ホームナビ等の機能改良と適正な運営の検討及び従業者の教育研修活動の充実を核とし、以下の内容を基本方針として事業活動を展開する。


1. 不動産流通促進に向けた検討

(1)住宅政策の新たな展開への対応
国土交通省は、現在、「住生活基本法案(仮称)」の本通常国会での法案成立を目指している。同法案は、従来の「住宅建設計画法」の枠組みを転換し、良質な性能、住環境、居住サービス等を備えた住宅ストックの形成等を通じて豊かさを実感できる住生活の実現を図ろうとするものである。

当協会としては、これら新たな住宅政策の展開において実施される、基本計画の策定、諸施策の策定・実施について、不動産流通業界の立場から流通現場の実情等も踏まえ、協会としての意見を取りまとめて意見具申等を行うなど、的確な対応を図っていく。

また、本年度はアスベスト問題に係る総合対策の一環としての建築基準法の改正及び住宅・建築物の地震防災対策としての耐震改修法の改正に伴う宅建業法上の取扱いに加え、耐震強度偽装問題への対応、不動産賃貸業・賃貸不動産管理業の適正化に向けた検討等諸法令・制度の整備が予定されており、これらの動向を注視しつつ、必要な対応を図っていく。

(2)その他の事業環境の変化等への対応
本年度は、金融商品取引法(仮称)の制定、信託法の改正、信託業法の再改正など、不動産の金融商品化をめぐる事業環境が引き続き大きく変わろうとしている。また、国土交通省においても不動産投資市場の整備・育成を図る諸施策、枠組みの検討を進めている。

当協会としては、これら新たな不動産事業環境の変化への対応を図るため、会員に対するタイムリーな情報提供、講習会・セミナーの開催など会員のニーズに応えた活動を実施する。

2. 住宅・土地税制改正要望

平成19年度の住宅・税制改正要望は、平成18年度に期限切れとなる各種軽減措置の延長・改善及び消費税などの課題に関し、次の項目を中心に活動を展開する。

(1)特定の居住用財産の買換特例、特定居住用財産の譲渡損失の特例等不動産譲渡に伴う特例措置の延長
(2)住宅用家屋の登録免許税の軽減、不動産売買契約書等の印紙税の軽減等不動産取得に伴う特例措置の延長
(3)住宅ローン減税の減税効果の維持
(4)消費税等への対応

3. 住宅金融システムの構築と対応

国民の住宅資金ニーズである長期・固定・低利のローンが安定的に供給される住宅金融システムが確保されるよう、住宅金融公庫の民間住宅ローン債権の証券化支援事業(フラット35)の普及に協力するとともに、平成18年度末の独立行政法人への円滑な移行が行われるための確認、要望を行う。

4. ホームナビ事業の拡大・推進

(1)「ホームナビ」は「不動産ジャパン」の中核サイトであり、「ヤフー」等へのコンテンツ提供サイトとして、引き続き消費者のニーズや会員の要望を反映した機能の強化、インフラ環境の改良を実施すると共に、セキュリティレベルの維持向上を図る。

(2)新しいサービスの提供の検討
インターネット事情の変化に対応し、「ホームナビ」における新しいサービスの提供等について検討を開始する。

5. 不動産ジャパンの円滑な運営に向けての協力

消費者の利便性や会員の広告効果の一層の向上を図るため、情報の拡充ならびに効果的な広告の実施など、参加4団体と連携して適切な運営に協力する。

6. 指定流通機構構成団体としての活動推進

(1)(財)東日本不動産流通機構における「全国4レインズシステム統合特別委員会」及び4機構ならびに指定流通機構構成4団体で設置された検討機関(検討委員会・検討ワーキング)に参加し、全国4レインズシズテムの統合の是非に関する意見交換、検討を行う。

(2)適正なレインズシステムの利用に向け、啓発活動を継続する。

(3)支部活動の円滑な運営に向けて支援を継続する。

7. 教育研修活動の推進

従業者の営業力向上とコンプライアンス意識昂揚のため、好評を得ている「実力アップ講座」の一層の充実を図り、「初任従業者教育研修」、「中堅営業管理職研修」を組み合わせた3種類の階層別研修を年度計画のもとに体系的に実施するとともに、会員のニーズにより積極的に応えていくための新しい研修制度、研修内容等について検討を開始する。

また、昨年度に引き続き「信託受益権販売業務に関する知識習得研修会」及び「信託関係法令に関する知識習得研修会」を実施する。

8. 調査研究活動の推進

毎年実施している「消費者動向調査」を継続して実施するとともに、住宅市場の今後に大きな影響を与えると考えられる少子高齢化社会の進行に伴う、今後の住生活の動向等に関する調査を実施する。

9. 広報・宣伝活動の推進

協会活動について「ホームナビ」を一層活用して情報伝達を図るとともに、「ホームナビ」の反響増加のための広報・宣伝活動を積極的に行う。

10. 国際活動の推進

世界不動産連盟日本支部メンバーとしてバンコク世界総会に参加する。併せて、米国の不動産マーケットの状況や税制・法制度、インターネット事情等の情報収集のため、NAR(全米リアルター協会)との親交を深める。

11. その他の活動

(1)不動産売買契約書等標準書式の充実と普及の推進
(2)行動綱領の順守によるコンプライアンスの徹底


[会報目次][事業活動の基本方針][住生活基本法案][アスベスト問題]
[建築物の耐震改修の促進に関する法律][投資家が安心して参加できる不動産市場の在り方]
[レインズシステム検討委員会][実力アップ講座実施報告][会員の皆様へのお願い]
[会員の章頒布][FRKNOW][INFORMATION]