協会活動 1月

平成３０年　新年賀詞交歓会開催

　新年1月9日（火）、当協会と一般社団法人不動産協会の共催による「平成30年新年賀詞交歓会」が、東京都港区のホテルオークラで開催された。会場には、石井啓一国土交通大臣をはじめとする国会議員、国土交通省関係者並びに関係諸団体等の来賓のほか、二団体の会員多数が出席し、新年を祝った。

　まず、不動産協会・菰田正信理事長が冒頭の挨拶を行い、「我が国経済は企業業績や雇用拡大により緩やかな改善を続けているが、先行きについては、世界情勢の不確実性など不透明な面もある。今後さらに力強い成長を促し、経済の好循環を実現するためには、官・民総力を挙げて、都市・地方ともにさらなる活性化を図ることが重要である。そのような観点から平成30年度税制改正要望を積極的に進めてきた。先に決定された税制改正大綱では、最重点要望の「土地固定資産税の負担調整措置」について、要望通り延長を認めていただいた。そのほか「居住用財産の買換え・売却に伴う特例」や、「新築住宅にかかる固定資産税の軽減特例の延長」をはじめ、主要な要望は全て認めていただき、ご尽力いただいた関係の皆様方に厚くお礼を申し上げたい。都市政策や住宅政策についても、都市再生特区における用途変更の柔軟化が措置されるとともに、エリアマネジメントの充実等が図られることとなった。住宅についても、団地型マンションの建替に関する制度整備が進められるほか、宅配ボックス等の容積率に関する運用の弾力化などが図られることとなった。今後も、都市政策、住宅政策、税制について、三位一体でしっかりと要望活動に取り組んでいきたい。
　本年は都市再生プロジェクトのより一層の推進を図るとともに、来年度に期限を迎える都市再生促進税制に対し的確に対応する。また、ＡＩの活用等、急激な時代の変革を先取りするまちづくりに向けた取り組みを展開し、働き方改革の推進が求められる中、新たなオフィスのあり方なども前向きに考えたい。少子化・高齢化、世帯構成の変化などに伴う多様なニーズに対応する住宅のあり方や、サービスの提供について理解を深めていくことも大切だ。環境への取り組みや国際化への対応のほか、事業環境の整備について、物流不動産の開発なども対象として、幅広く取り組みたい。優れた都市づくりや質の高い住宅の供給により、真に豊かさを実感できる社会の実現に貢献していきたい。」と新年の抱負を述べた。

　次に来賓挨拶として、石井啓一国土交通大臣から「国土交通省では、人口減少社会において持続的な経済成長を確保するため、平成28年を生産性向上元年と位置付け、20プロジェクトを選定した。昨年は、生産性革命前進の年、今年は生産性革命深化の年として、不動産最適活用の促進、都市のコンパクト＆ネットワークの推進、既存住宅流通の促進など社会全体の生産性向上に向けた施策に注力したい。平成30年度の税制改正においては、土地にかかる固定資産税の負担調整措置、条例減額制度の延長や、居住用財産の買換え等に係る特例措置の延長など、主要な税制が全て認められた。昨年要望のあったマンションの宅配ボックスの設置促進のための容積率等の運用の明確化については既に措置済であり、所有者不明土地や都市のスポンジ化への対策、都市部における路上駐車施設の有効活用等を内容とする法律案について、通常国会提出に向けて準備を進める。就業人口の約３％でＧＤＰの１割強を占め、あらゆる経済活動の基盤となる不動産業には、これまで以上に大きな期待が寄せられている。」との祝辞をいただいた。

　続いて、来賓（国会議員）の紹介の後、当協会の理事長が「平成３０年度税制改正においては、買取リフォーム販売にかかる不動産取得税の特例等の敷地への適用を新たに認めていただいたほか、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の特例をはじめとする各種特例の延長を認めていただいた。また、昨今は少子高齢化等による空き家の増加が社会問題化し、不動産流通業界にも、空き家等の利活用、流通への役割が大きく期待されているところ、低額物件の取引負担の問題に対し、新たに負担軽減の措置を講じていただいた。ご尽力いただいた皆様に心より感謝申し上げたい。昨年の不動産流通市場は、取引件数、成約価格ともに1年を通して堅調に推移した。足下でも既存住宅への底堅い需要を実感しており、今年も低金利に加えて住宅税制による支援の下、高水準の取引が続くものと期待している。
　 今後、人生100年時代、超長寿時代を迎え、不動産の利活用についても、各ステージでの様々なパターンが増えてくると思われ、我々としてもこうした社会の要請を受け止め、新たな制度や技術を活用し、隠れた価値を見出すことによって、地域の魅力や既存住宅の良さを発信し、不動産流通をさらに活発化することで、内需の拡大とともに諸課題の解決に貢献していきたい。」と挨拶し、理事長の音頭で乾杯を行い、懇談に移った。

懇談に続いて、石原伸晃自由民主党住宅土地・都市政策調査会長、井上義久公明党幹事長から祝辞をいただいた。 当日は1,1 00人が参集し、盛会のうちに終了した。

石井 啓一 国土交通大臣	理事長