トピックス 1月

田中理事長年頭挨拶

　年頭にあたって、謹んで新年のお喜びを申し上げます。
　不動産流通経営協会は昭和45年5月の設立以来、一貫して既存住宅流通の活性化を推進して参りましたが、今年も会員の総力を結集し業界の更なる発展を目指してまいります。

　我が国経済は、昨年前半の円高環境から打って変わり、足元は米国経済の拡大期待等から円安・株高が進むなど、景気に明るさが出てきています。本年は、海外経済の不確実性が残るものの、雇用・所得環境の改善や政策効果等により、景気は緩やかな回復が続くものと期待されています。

　このようななか、既存住宅流通市場は、レインズの成約件数が過去最高を更新するなど、底堅く推移しています。本年も、低金利や税制等の政策効果にも支えられ、高水準な取引が続くと期待しています。

　昨年の改正宅建業法では、宅建業者に建物状況調査(インスペクション)についての役割が位置付けられ、年末の社会資本整備審議会において、その運用方法がとりまとめられました。FRKとしても市場への円滑な導入がなされるよう意見を述べてまいりましたが、これらも尊重いただいてのとりまとめになったと思っています。本年は建物状況調査が現場においてスムーズに実施されるよう、会員の皆様と共に取り組んでまいりたいと思います。

　昨春策定された『新住生活基本計画』は既存住宅流通市場の倍増を目指しており、その実現に向けて、国において諸制度の整備検討が行われていますが、FRKは全国に店舗を持っている会員の声を反映し、協会と現場が一体となりスピード感を持って意見具申していく所存です。

　また、不動産流通市場が大きな変革期を迎える中、積極的な情報発信にも努めてまいります。昨年は、協会初のオピニオン誌『FRKコミュニケーション』を創刊いたしました。本年は消費者の視点を取り入れた調査研究事業の充実を図り、より説得力のある市場活性化を促す施策についての提案や、新たなIT技術の活用により、既存住宅の魅力について情報発信を行ってまいります。

　経済成長を持続・拡大していく上で、既存住宅市場の活性化は国の住宅政策の重要なテーマとなっています。それだけに我々に課せられた使命は重いわけですが、会員一丸となって、創意工夫をこらし、対処すべき課題に取り組んでまいりたいと思います。

　最後に、皆様のご健勝と益々のご活躍を心よりお祈り申し上げまして年頭のご挨拶とさせていただきます。

一般社団法人　不動産流通経営協会　理事長　田中　俊和