量から質へ、フローからストック重視へという住生活の環境の変化や不動産の流動化・証券化によるJリートなど、不動産投資市場の拡大などにより住宅を含めた不動産流通市場は近年多様な展開を示す中で着実に進展してきています。その担い手である不動産流通業界は住替えによる住生活の向上のみならず、国民経済上の観点からも重要な役割を期待されています。
ところが、このような市場の進展がみられるものの、その実態を示す統計資料が十分でないという実情があります。例えば、我が国の住宅流通市場の現況を米国と比較する際に、全米リアルター協会の調査推計による数値と総務省の住宅土地統計調査による数値が用いられることが多いのですが、住宅土地統計調査による既存住宅の流通量は、その目的からいっても住宅流通市場の実態を表すものとしては十分なものではありません。この点に関しては、既に当協会で独自の「FRK既存住宅流通量」を推計することにより、より実態に即した数値を公表しています。
今後も不動産流通市場の実態を示す統計資料の整備が望まれますが、この度、とりあえずのものとして、不動産流通に関係する公表された統計資料を整理・編集したものを『FRK不動産流通統計ハンドブック』として取りまとめ、会員会社に配布しました。
|