FRK会報
会報No.88(2007年NOVEMBER)

「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案」について

去る10月、「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、第168回臨時国会に提出されました。当法律案の概要は以下の通りです。
1.法律改正の背景と経過

(1)FF式ファンヒーター、小型ガス湯沸器に係る死亡事故等は、製品の経年劣化が主因であり、出荷後における事故の未然防止が重要な課題であります。この認識のもと、経済産業省では、産業構造審議会製品安全小委員会において、事業者による消費者の保守サポート制度の創設を内容とする中間とりまとめ「出荷後における製品の安全性確保に向けて」を平成19年9月10日に公表しました。

(2)上記の中間とりまとめにあたっては、パブリックコメント手続がとられ、当協会からは平成19年8月2日付で意見書を提出しました。

(3)(1)の中間とりまとめを受けた「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案」が平成19年10月12日に閣議決定され、第168回臨時国会に提出されました。

2.法律改正案の概要(長期使用時の製品の保守サポート制度の導入)

消費者自身による保守が難しく、経年劣化による重大事故の発生のおそれが高いもの(特定保守製品)について、消費者に保守情報を適切に提供するとともに、点検実施体制の整備を製造・輸入事業者に求める制度を創設する。

(予定対象品目)
都市ガス用・LPガス用瞬間湯沸器(屋内型)
都市ガス用・LPガス用ガス風呂釜(屋内型)
石油給湯器、石油風呂釜、FF式石油温風暖房機、電気食器洗い乾燥機(ビルトイン型)、電気式浴室換気乾燥暖房機

3.改正案による各当事者の義務・責務

(→下図「 情報伝達サークルのイメージ」参照)

(1)製造・輸入事業者(事業届出制)の義務 
  • 設計標準使用期間、点検期間等の製品への表示 
  • 消費者への点検の通知、消費者からの点検要請の応諾 
  • 基準に則った点検体制の整備(既販品も含む) 等 

(2)販売事業者等の義務(新築分譲業者等。法案32条の5)

1. 特定保守製品を、売買その他の取引により、または特定保守製品以外の物に関する取引に付随して取得しようとする者(エンドユーザー)に対し、当該取引の相手方たる特定保守製品取引事業者は、当該特定保守製品の引渡しに際し、次の事項について説明しなければならない。ただし、当該特定保守製品の点検期間が経過している場合、その他正当な理由がある場合はこの限りでない。

  • 特定保守製品は経年劣化により危害を及ぼすおそれが多く、適切な保守がなされる必要があること。
  • 当該特定保守製品に係る特定製造事業者等に対して所有者情報を提供した場合には、点検の通知があること。
  • その他特定保守製品の点検その他の保守に関し主務省令で定める事項。

2. 上記の説明は、特定保守製品の製造事業者等が作成して製品に添付する所有者票を示して行わなければならない。

(3)関連事業者の責務(不動産仲介業者等。法案32条の7)

「特定保守製品に関する取引の仲介、特定保守製品の修理または設置工事その他の特定保守製品に関連する事業を行う者は、特定保守製品の所有者に対して、第32条の5第1項各号の事項に係る情報が円滑に提供されるよう努めなければならない。

(4)消費者の責務 

  • 所有情報を製造・輸入事業者に提供 
  • 点検を行う等保守に努力 等 
[図] 情報伝達サークルのイメージ

4.施行期日
 
改正法の公布から1年6か月以内で政令で定める日。


[会報目次]
[第12回「不動産流通業に関する消費者動向調査」結果報告(概要)]
[「平成19年都道府県地価調査」についての理事長コメント]
[「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案」について]
[「不動産業における犯罪収益移転防止及び反社会的勢力による被害防止のための連絡協議会」の設立について]
[流通市場研究会について][平成19年度初任従業者教育研修 実施報告]
[FRKNOW][INFORMATION]