FRK会報
会報No.86(2007年JULY)

建築確認申請の手続きの変更について

一昨年11月、構造計算書偽装事件(姉歯事件)が発覚しました。これを契機に、再発防止のため、昨年の通常国会及び臨時国会において、建築基準法・建築士法等が改正されました。このうち、建築確認・検査の厳格化、民間確認検査機関に対する指導監督の強化、建築士等に対する罰則の強化など一部の改正事項については、本年6月20日から施行されています。建築主は、特に建築確認・検査の厳格化に伴う下記の改正事項について、十分に留意しておく必要があります。
(1) 構造計算適合性判定制度の導入
構造計算書の偽装等を防止するため、高さ20mを超える鉄筋コンクリート造の建築物など一定の高さ以上等の建築物については、第三者機関による構造審査(ピアチェック)が義務付けられます。

 

(2) 構造計算適合性判定制度の導入に伴い、建築確認の審査期間が延長されます。(21日間→35日間、ただし、詳細な構造審査を要する場合には最大で70日間)

(3) 建築確認や中間・完了検査に関する指針が告示で定められ、建築主事や民間機関の確認検査員はこれに従って適正に業務を行うことになります。
従来、設計図書に関係法令に適合しない箇所や不整合な箇所がある場合には、建築主事等が申請者にその旨を連絡し、補正させた上で確認するという慣行がみられましたが、こうした慣行が偽装問題等の一因となっていたことを踏まえ、指針においては、誤記や記載漏れなどを除き、図書の差替えや訂正がある場合には、再申請を求めることとしています。したがって、申請前に設計図書のチェックを十分に行うことは当然のこと、あらかじめ建築計画の内容を確定した上で、確認申請を行う必要があります。

(4) 3階建て以上の共同住宅については、中間検査が義務付けられます。

(5) 確認申請に係る建築設計に複数の設計者が関わっている場合には、責任を明確にするため、確認申請書の設計者欄に全員の氏名等を記載することとします。

[会報目次][犯罪収益移転防止法][200年住宅ビジョン]
[建築確認申請][特定住宅瑕疵担保責任][あんしん賃貸支援事業]
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