地価は、住宅地、商業地ともに、三大都市圏および地方ブロック中心都市を中心にした上昇により、全国平均で平成18年地価公示に比べわずかな上昇となったが、全国の地方圏においては依然として、地価下落が続いている状況にある。
今回の地価公示においては、利便性、収益性の高い地域と、その他の地域の地価動向の差異が一層鮮明になったといえるであろう。また、三大都市圏および地方ブロック中心都市の今後の地価見通しについても、景気および金利の動向、建築価格の上昇等によるマンションの需給動向等に留意する必要があるといえるであろう。
今後、少子高齢化の進展、団塊世代の大量退職など社会情勢の更なる変化が見込まれる中、全国レベルでの順調な地価回復を実現するためには、地方経済の活性化を進め、国民生活の基盤である土地・住宅に関する多様なニーズに応える政策の推進が不可欠である。
国の住生活施策の方針である住生活基本法、住生活基本計画さらには現在、自由民主党で検討されている「“200年住宅”ビジョン」等でも示されている通り、住宅ストックの有効な活用を図る既存住宅流通市場の活性化は、今後の政策上の重点課題であり、不動産流通を促進する税制の継続実施および住宅投資等に対する幅広い政策面での支援策の強化がさらに求められる。 |