FRK会報
会報No.85(2007年MAY)

新理事長挨拶

不動産流通活性化へ向け
活発な事業展開を

社団法人 不動産流通経営協会
理事長 岩崎 芳史

この度、三浦理事長の後を受けまして、理事長に就任いたしました岩崎でございます。誠に大任ではありますが、微力ながら全力を尽くして業界、協会の発展に努力してまいりたいと存じます。

前理事長には、平成13年4月から副理事長として、また平成17年4月からは理事長としてあわせて6年にわたり、当協会の体制整備・強化にご尽力頂き、不動産流通業界の今日の発展に多大なる貢献をされましたことに、改めて深甚なる敬意と感謝を表する次第であります。

さて、不動産流通業界は、我が国経済の景気回復を背景として、大都市圏を主としながらも活発な状況にあります。一方、少子・高齢化の進行や団塊世代の大量退職など社会構造の変化やライフスタイルの多様化に対し、適切な居住環境の選択が安心かつ円滑に行なわれる対応が求められております。国の住宅政策においても6月に施行された「住生活基本法」に基づき策定された「住生活基本計画」の中で、既存住宅の流通促進が住宅政策の目標として明確に位置付けられるなど、不動産流通業界への期待がますます高まっております。

これらの住宅政策の新たな展開に対し、当協会では昨年業界ではじめて、既存住宅の年間売買取り扱い件数を調査し、平成16年度では、約46万件と発表しました。これは年間新築着工戸数約120万戸の40%弱であります。一方、米国では、既存住宅流通量は新築着工戸数の3倍以上になっています。日本でもこの十数年間で、良好なストックが積み上って来ており、今後既存住宅流通量は飛躍的に増加することが期待され、まさに“住宅流通の夜明け”を迎えていると認識しています。

平成19年度は以上の背景のもと、不動産流通活性化に向けた諸施策の実施等に向け、以下の課題について活発な事業展開を図ってまいりたいと思います。

先ず第一に住宅の取得や流通に係る税制や安定的で柔軟な住宅金融システム、住宅の性能表示や情報提供のあり方など、流通活性化のための諸施策の検討を進め、必要に応じ不動産流通業界の立場から協会として意見具申や要望活動を展開してまいります。

第二が、情報ネットワークの強化であります。インターネットによる消費者への不動産物件情報の提供サイトである「ホームナビ」について、開設10周年を機に、IT化の進展を踏まえた次期システムの開発を進めるとともに検索サイト等へのコンテンツ提供及び業界代表のホームページに相応しい機能の構築について検討を行ってまいります。また、「レインズシステム」についても、全国4レインズシステムのデータベースの集約等新たなシステム構築に向け協力してまいります。

第三に、企業の社会的責任や消費者意識の高まりに適切に対応し、不動産取引の適正化に向けてのコンプライアンス意識の昂揚を図り、業界の信頼性を更に高めていくため、従業者への研修を充実させるとともに、消費者への広報活動の拡充を進めてまいります。

今年度も不動産流通業界は多くの課題を抱えておりますが、関係団体と連携しつつ、会員相互の結束のもと協会活動を一層活発に展開し、不動産流通の促進と不動産流通業の発展に寄与してまいる所存であります。

皆様方の一層のご支援、ご協力をお願いいたします。

前理事長挨拶

消費者の信頼と期待に応えるため
事業活動の一層活発な展開を

社団法人 不動産流通経営協会
顧問 三浦 正敏

私はこの度の定時総会において、任期満了を機に理事長を退任することといたしました。

平成13年4月から平成17年4月まで副理事長として、また4月からは理事長として今日まであわせて6年にわたり格別のご厚情を賜りましたことに、深く感謝申し上げる次第であります。

その間、国の住宅政策が「量」の確保を目指した「住宅建設計画法」の枠組みから、豊かな住生活を実現するために、住生活の「質」の向上を図る政策に大きく転換し、昨年6月には「住生活基本法」が施行されました。

このような背景のもと、当協会では9月に有識者からなる「既存住宅の流通促進に関する研究会」を設置し、既存住宅流通量の把握や、既存住宅流通促進のための住宅検査のあり方等についての基礎的研究を行ってまいりましたが、今後の更なる住宅流通に関する調査結果を踏まえた対応が不動産流通市場の活性化に大きく貢献していくものと考えております。

また、不動産流通市場の拡大に不可欠な、土地住宅税制の拡充のための諸活動にも努めてまいりました。一昨年末の中古住宅の築後年数要件の撤廃、昨年末の「特定の居住用財産の買換え等に関する特例」をはじめとして、多岐にわたる減税措置の実現をみることができました。

当協会の不動産情報サイト「ホームナビ」は、開設して10年目になります。この間、インターネットの不動産物件情報サイトとしてその機能を果たし、また中核サイトとして平成15年10月にスタートした「不動産ジャパン」の適切な運営の確立に貢献してまいりました。両サイトの発展・拡大は、消費者にとって単に利便性の向上になるだけでなく、不動産流通業界のイメージを高め、不動産取引の活性化に大きく貢献していくものと考えております。

また昨年は、建築基準法の改正を始めとして、アスベスト調査と耐震診断に係る情報や宅地・建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関して売主等が講ずる措置について重要事項説明に追加されるなど、所要の法令の整備が行われましたが、当協会では、いち早く対応して、不動産売買契約書および重要事項説明書などのFRK標準書式に反映するなど会員のニーズに応えた活動を実施しております。

以上のように不動産流通市場の活性化の諸課題に取組むとともに、不動産流通について消費者の信頼と期待に応えるために、従業者への研修の拡充、消費者向けセミナーの開催など研修広報活動を着実に実行してまいりました。

このように当協会の活動も順調に推移しておりますが、居住水準の向上、内需の拡大に向けて、本年度も取り組むべき課題が多々あります。

新理事長の下に、これまで培ってきた会員の総力を結集し、事業活動を一層活発に展開し、所期の目的を達成されますことを念願して止みません。

最後に、これまで寄せられた皆様方のご支援、ご協力に心から感謝申し上げて、ご挨拶といたします。


[会報目次][新理事長・前理事長挨拶][平成19年度事業計画]
[次期ホームナビ][レインズシステムの検討状況][平成19年地価公示]
[企画専門委員会][実力アップ講座][役員名簿][会員の皆様へのお願い]
[FRKNOW][事務局だより][会員だより]