私はこの度の定時総会において、任期満了を機に理事長を退任することといたしました。
平成13年4月から平成17年4月まで副理事長として、また4月からは理事長として今日まであわせて6年にわたり格別のご厚情を賜りましたことに、深く感謝申し上げる次第であります。
その間、国の住宅政策が「量」の確保を目指した「住宅建設計画法」の枠組みから、豊かな住生活を実現するために、住生活の「質」の向上を図る政策に大きく転換し、昨年6月には「住生活基本法」が施行されました。
このような背景のもと、当協会では9月に有識者からなる「既存住宅の流通促進に関する研究会」を設置し、既存住宅流通量の把握や、既存住宅流通促進のための住宅検査のあり方等についての基礎的研究を行ってまいりましたが、今後の更なる住宅流通に関する調査結果を踏まえた対応が不動産流通市場の活性化に大きく貢献していくものと考えております。
また、不動産流通市場の拡大に不可欠な、土地住宅税制の拡充のための諸活動にも努めてまいりました。一昨年末の中古住宅の築後年数要件の撤廃、昨年末の「特定の居住用財産の買換え等に関する特例」をはじめとして、多岐にわたる減税措置の実現をみることができました。
当協会の不動産情報サイト「ホームナビ」は、開設して10年目になります。この間、インターネットの不動産物件情報サイトとしてその機能を果たし、また中核サイトとして平成15年10月にスタートした「不動産ジャパン」の適切な運営の確立に貢献してまいりました。両サイトの発展・拡大は、消費者にとって単に利便性の向上になるだけでなく、不動産流通業界のイメージを高め、不動産取引の活性化に大きく貢献していくものと考えております。
また昨年は、建築基準法の改正を始めとして、アスベスト調査と耐震診断に係る情報や宅地・建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に関して売主等が講ずる措置について重要事項説明に追加されるなど、所要の法令の整備が行われましたが、当協会では、いち早く対応して、不動産売買契約書および重要事項説明書などのFRK標準書式に反映するなど会員のニーズに応えた活動を実施しております。
以上のように不動産流通市場の活性化の諸課題に取組むとともに、不動産流通について消費者の信頼と期待に応えるために、従業者への研修の拡充、消費者向けセミナーの開催など研修広報活動を着実に実行してまいりました。
このように当協会の活動も順調に推移しておりますが、居住水準の向上、内需の拡大に向けて、本年度も取り組むべき課題が多々あります。
新理事長の下に、これまで培ってきた会員の総力を結集し、事業活動を一層活発に展開し、所期の目的を達成されますことを念願して止みません。
最後に、これまで寄せられた皆様方のご支援、ご協力に心から感謝申し上げて、ご挨拶といたします。
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