FRK会報
会報No.84(2007年MARCH)

「FRK住まいと暮らしのセミナー」実施報告

去る3月2日(金)、東京都千代田区大手町の日経ホールにおいて、一般消費者を対象にした、当協会主催による「FRK住まいと暮らしのセミナー」を開催しました。セミナー概要は、次の通りです。
当協会・三浦理事長
今回のセミナーは、国土交通省ならびに東京都の後援のもと行われた。まず、セミナーの開演に先立ち、当協会の三浦正敏理事長が主催者挨拶として、(社)不動産流通経営協会の活動や目的ならびに当セミナー開催の趣旨を述べた。

■ 第1部 基調講演
「団塊世代の住意識 〜住生活1000人調査2006から〜」

第1部は、(株)東急住生活研究所・代表取締役所長の望月久美子氏に「団塊世代の住意識」と題し、昨年行った「住生活について1000人のアンケート調査」を基に講演をしていただいた。概要は次の通り。

望月久美子 氏
(株)東急住生活研究所
代表取締役所長

定年は住まいの再構築の大きなターニングポイントである。団塊世代の大量定年時代を迎えるが、常に時代を切り拓いてきたこの世代は、住まいに多様な選択肢を持っている。たとえば、田舎暮らし、複数地域の居住、駅近マンション、定年を機にリフォーム…など、従来の画一的な住宅観からの脱却がみられる。

だが、男性が「自然・田舎への憧憬、庭付き一戸建て志向」に対し、女性は「おしゃれな都心、近郊マンション志向」など、住宅の価値観には大きな差が見られる。

今後、団塊世代の住まいのキーワードとなるのは、「復活」と「おふたりさま」。懐かしさやほっとする風景が見直されたり、夫婦がその関係を見直し折り合いをつけながら再構築する作業が必要となっていくだろう。これからの住まいを見つけることは、「自分探しの旅」ともいえるのである。

■ 第2部 特別講演
「生き方、住まい方 〜家族は人間を知るところ〜」

続いて、脚本家・小説家の山田太一氏に「生き方、住まい方」について特別講演をしていただいた。講演の概要は次の通りである。

山田太一 氏
脚本家・小説家

人はプラスのカードばかりを集めたがるが、それがいつの間にかマイナスになることもある。マイナスでもすごく潤っていることがある。人間は、自分と見合う街を欲するところがあるように思う。

韓国のある脚本家が「日本のテレビドラマは、どうしてしょっちゅう自分が幸福か否かを問いかけているのか」と言ったことがある。私は、そうやって自分の人生を問うことはしないほうがいいのではないかと思う。本当の自分の人生を見失ってしまうから。

団塊世代の住まいの選択肢が多く、幸せなことではあるが、今の場所で腰を据えてやっていこうという気持ちを持つこともいいと思う。断念すること、あきらめることも時に大切だ。

定年後の人生は20年ある。住まうことについて、じっくり考えてみてはどうだろう。広い意味で、人間を書いた本を読むことをお薦めしたい。ある時期、4年間ぐらい費やして読んでみるのもいい。楽しみながら、ゆっくりとこの先の進路を決めたらいいのではないかと思う。


当日は約600名の消費者が参集し、第1部、第2部の講演内容ともに、熱心に聴き入って盛会のうちに閉会した。

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