人はプラスのカードばかりを集めたがるが、それがいつの間にかマイナスになることもある。マイナスでもすごく潤っていることがある。人間は、自分と見合う街を欲するところがあるように思う。
韓国のある脚本家が「日本のテレビドラマは、どうしてしょっちゅう自分が幸福か否かを問いかけているのか」と言ったことがある。私は、そうやって自分の人生を問うことはしないほうがいいのではないかと思う。本当の自分の人生を見失ってしまうから。
団塊世代の住まいの選択肢が多く、幸せなことではあるが、今の場所で腰を据えてやっていこうという気持ちを持つこともいいと思う。断念すること、あきらめることも時に大切だ。
定年後の人生は20年ある。住まうことについて、じっくり考えてみてはどうだろう。広い意味で、人間を書いた本を読むことをお薦めしたい。ある時期、4年間ぐらい費やして読んでみるのもいい。楽しみながら、ゆっくりとこの先の進路を決めたらいいのではないかと思う。
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