1. 調査の目的
不動産流通業において、市場の実態を表現しうる流通量の推移を推計・把握することは、今後の見通しを占う上で必要不可欠である。また、推計の対象となる既存住宅流通の円滑性の確保は、今後の住宅政策、不動産流通業の企業活動にとっては必要不可欠な課題である。既存住宅流通の円滑性確保のためには、既存住宅が流通に堪えうる質を有し、その質に見合った市場価値を持ち合わせることが必要である。既存住宅の質を統一的な尺度に表し、消費者にその情報を伝える手法として、既存住宅性能表示制度があるが、現状においては十分な活用が行われていない現状がある。さらに、既存住宅だけではなく、新築を含めた住宅の質が、価格評価にどのように反映されているのかについても十分な検討が行われてはいない状況にある。
そのような背景のもと、本調査では、「継続性」「客観性」「安定性」が確保できる既存住宅流通量の推計方法の検討を行うとともに、既存住宅性能表示制度、さらには任意の住宅検査を含めた既存住宅の質を図る既存の制度・手法の実態と、ユーザーニーズとのミスマッチ等の検証を行う。
更に、実際の市場データを用いて、実態市場において、住宅の質が価格にどのように、どの程度の影響を与えているのかについて分析を試みることにより、現状における既存住宅市場の実態および既存住宅流通促進のための今後の方向性の検討を行うための基礎分析を行うものである。
2. 研究会の委員名簿(敬称略・順不同)
座長: |
浅見泰司
東京大学 空間情報科学センター 教授 |
委員: |
中川雅之
日本大学 経済学部 教授 |
委員: |
清水千弘
麗澤大学 国際経済学部 助教授 |
委員: |
保倉俊一
(社)カーテンウォール・防火開口部協会
専務理事 |
委員: |
松村 徹
(株)ニッセイ基礎研究所 金融研究部門
上席主任研究員 |
委員: |
内藤 勇
(社)不動産流通経営協会 専務理事 |
委員: |
村林正次
(株)価値総合研究所 取締役・主席研究員 |
上記委員の他にオブザーバーとして、国土交通省の総合政策局不動産業課、住宅局住宅政策課および当協会委員会の各委員長等を予定。
事務局は当協会、調査業務委託先は、(株)価値総合研究所とする。
3. スケジュール
第1回研究会を9月20日に開催。年内に3回程度の研究会を開催して報告書を取りまとめる予定。
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