FRK会報
会報No.79(2006年MAY)

国土交通省が平成18年地価公示を発表

国土交通省 土地・水資源局地価調査課より発表された、平成18年地価公示に基づく地価動向(概括)を掲載します。
全国平均で見ると、地価は引き続き下落しているが、住宅地、商業地とも下落幅は縮小している。
  1. 三大都市圏では、東京都区部、大阪市、京都市及び名古屋市といった各圏域の中心都市の都心部においては、ほぼすべての地点が上昇又は横ばいとなった。その中には、利便性・収益性の高さを反映してより高い上昇率を示す地点も見られるが、それ以外の大半の地点はわずかな上昇又は横ばいとなっており、過去の地価水準と比較すると、住宅地はおおむね昭和50年代半ば、商業地はおおむね昭和49年以前の水準である。また、郊外部においては、都心部に近接した地域及び都心部からの交通利便性が高い地域を中心に上昇地点が現れ、又は増加しているが、それ以外の地域では、ほぼすべての地点が、下落幅は縮小しているものの依然として下落している。

  2. 地方圏では、住宅地、商業地とも下落幅が縮小した。地方ブロックの中心都市では上昇地点が現れ、又は増加しており、ごく一部の地方中心都市にも上昇・横ばい地点が現れてきたが、それ以外の地域では、ほぼすべての地点が、下落幅は縮小しているものの依然として下落している。

このように、今回の地価公示に基づく地価動向においては、総じて見れば、下落傾向が継続しているが、大都市の都心部を中心に持ち直しの動きが見られ、その兆候は一部の地方中心都市にも見られ始めている。

平成18年地価公示についての当協会理事長コメント
社団法人 不動産流通経営協会
理事長 三浦正敏

地価は、住宅地、商業地ともに平成17年地価公示に比べ全国平均で下落幅が縮小し、特に三大都市圏の都心部においては、ほぼすべての地点で上昇や横ばいとなり、また利便性等の高さを反映してより高い上昇率を示す地点も見られる等、資産デフレからの脱却に至りつつある状況が伺える。

一方、地方圏では、いまだ本格的な回復に向かっているとはいえない状況にあるものの、住宅地、商業地ともに下落率が縮小し、地方ブロックの中心都市等では、上昇、横ばいの地点の増加も見られるようになっている。

このように、今回の地価公示においては、地価の長期低迷傾向からの脱却の兆しが、より鮮明になりつつあるといえる。しかし、全国レベルでの資産デフレ状況を克服し、我が国経済の活性化をさらに促進するためには、国民生活の基盤である土地・住宅に関する需要の持続的拡大が不可欠である。特に、現在、国会に上程されている住生活基本法案にもあるとおり、住宅ストックの有効な活用を図る既存住宅流通市場の活性化は、今後の政策上の重点課題であり、不動産流通を促進する税制改革の継続実施および住宅投資等に対する幅広い政策面での支援策の強化が求められる。

 


[会報目次][事業計画][地価公示][宅地建物取引業法施行規則の一部改正]
[企画専門委員会][実力アップ講座][会員の皆様へのお願い]
[FRKNOW][書籍紹介][INFORMATION]