地価は、住宅地、商業地ともに平成17年地価公示に比べ全国平均で下落幅が縮小し、特に三大都市圏の都心部においては、ほぼすべての地点で上昇や横ばいとなり、また利便性等の高さを反映してより高い上昇率を示す地点も見られる等、資産デフレからの脱却に至りつつある状況が伺える。
一方、地方圏では、いまだ本格的な回復に向かっているとはいえない状況にあるものの、住宅地、商業地ともに下落率が縮小し、地方ブロックの中心都市等では、上昇、横ばいの地点の増加も見られるようになっている。
このように、今回の地価公示においては、地価の長期低迷傾向からの脱却の兆しが、より鮮明になりつつあるといえる。しかし、全国レベルでの資産デフレ状況を克服し、我が国経済の活性化をさらに促進するためには、国民生活の基盤である土地・住宅に関する需要の持続的拡大が不可欠である。特に、現在、国会に上程されている住生活基本法案にもあるとおり、住宅ストックの有効な活用を図る既存住宅流通市場の活性化は、今後の政策上の重点課題であり、不動産流通を促進する税制改革の継続実施および住宅投資等に対する幅広い政策面での支援策の強化が求められる。 |