FRK会報
会報No.76(2005年NOVEMBER)

「新たな住宅政策に対応した制度的枠組みについて」に関する答申について
― 社会資本整備審議会(住宅宅地分科会)答申 ―

国土交通大臣の諮問機関である社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長・八田達夫国際基督教大教授)は、9月26日、北側一雄・国土交通大臣に対し、「新たな住宅政策に対応した制度的枠組み」に関する答申をまとめて報告しました。下記にその概略を掲載します。
答申では、「住宅政策の基本理念に基づき、各種施策を総合的かつ計画的に進めるための制度的枠組みとして、住宅政策に関する基本法制(住宅基本法)と、これに基づく新たな計画体系を整備すべきである」とした。

住宅政策の基本目標として、1)良質な性能、住環境および居住サービスを備えた住宅ストックの形成、2)多様な居住ニーズを適時適切に実現できる市場の環境整備、3)住宅の資産価値が評価・活用される市場の環境整備、4)住宅困窮者が安定した居住を確保できる住宅セーフティネットの整備――の4つを掲げた。

計画においては、10年程度先の長期的な目標を掲げ、政策評価の結果や社会経済情勢の変化等を踏まえ、概ね5年毎に見直すとした。

また、新たな制度的枠組みの下での政策展開として、1)市場重視の政策展開と消費者政策の確立、2)ストック重視の政策展開、3)福祉、まちづくり等との連携強化、4)地域の実情を踏まえたきめ細かな政策展開、5)住宅関連産業の健全な発展、6)統計調査の充実――の6つの基本的視点を掲げ、重点的に講ずべき施策分野として、1)市場重視型の新たな住宅金融システムの整備、2)住宅市場における重点分野の整備、3)住宅セーフティネットの機能向上に向けた公的賃貸住宅制度の再構築、4)市街地における居住環境整備の推進――の4つを掲げた。

住宅市場では、中古住宅流通・住宅リフォーム市場の整備等に重点的に取り組む必要があるとして、その中で、中古住宅流通の促進を掲げ、[安心して取引できる環境づくり]、[持家資産の流動化]、[円滑な住替えの支援]、[将来の維持管理・流通に向けた新築時の質の確保]が対象となっている。

これを受け、国土交通省では来年の通常国会へ提出する「住宅基本法」(仮称)の策定作業を本格化する。


尚、当協会では、本件に関して「新たな住宅政策に対応した制度的枠組みはいかにあるべきか」報告案に関する意見募集について、8月11日付で、国土交通省住宅局住宅政策課に意見書を提出しています。


[会報目次][消費者動向調査][地価調査理事長コメント][「新たな住宅政策に対応した制度的枠組み」答申]
[アスベスト問題への対応][APREC2005大阪大会][日米不動産業首脳交流会議]
[住宅ローン基礎知識講習会][初任従業者教育研修][会員の皆様へのお願い][FRKNOW][INFORMATION]