答申では、「住宅政策の基本理念に基づき、各種施策を総合的かつ計画的に進めるための制度的枠組みとして、住宅政策に関する基本法制(住宅基本法)と、これに基づく新たな計画体系を整備すべきである」とした。
住宅政策の基本目標として、1)良質な性能、住環境および居住サービスを備えた住宅ストックの形成、2)多様な居住ニーズを適時適切に実現できる市場の環境整備、3)住宅の資産価値が評価・活用される市場の環境整備、4)住宅困窮者が安定した居住を確保できる住宅セーフティネットの整備――の4つを掲げた。
計画においては、10年程度先の長期的な目標を掲げ、政策評価の結果や社会経済情勢の変化等を踏まえ、概ね5年毎に見直すとした。
また、新たな制度的枠組みの下での政策展開として、1)市場重視の政策展開と消費者政策の確立、2)ストック重視の政策展開、3)福祉、まちづくり等との連携強化、4)地域の実情を踏まえたきめ細かな政策展開、5)住宅関連産業の健全な発展、6)統計調査の充実――の6つの基本的視点を掲げ、重点的に講ずべき施策分野として、1)市場重視型の新たな住宅金融システムの整備、2)住宅市場における重点分野の整備、3)住宅セーフティネットの機能向上に向けた公的賃貸住宅制度の再構築、4)市街地における居住環境整備の推進――の4つを掲げた。
住宅市場では、中古住宅流通・住宅リフォーム市場の整備等に重点的に取り組む必要があるとして、その中で、中古住宅流通の促進を掲げ、[安心して取引できる環境づくり]、[持家資産の流動化]、[円滑な住替えの支援]、[将来の維持管理・流通に向けた新築時の質の確保]が対象となっている。
これを受け、国土交通省では来年の通常国会へ提出する「住宅基本法」(仮称)の策定作業を本格化する。
尚、当協会では、本件に関して「新たな住宅政策に対応した制度的枠組みはいかにあるべきか」報告案に関する意見募集について、8月11日付で、国土交通省住宅局住宅政策課に意見書を提出しています。
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