昨年末、平成16年12月に施行された改正信託業法により、信託受益権販売業の登録制度が創設され、従来、不動産業者が取り扱っていた「不動産信託受益権」の販売業務も、同法の適用を受けることとなりました。平成17年1月以降、当協会会員も含め、不動産業各社による信託受益権販売業の登録手続が行われておりますが、さらに現段階では、信託受益権販売業の登録をした不動産業者が、信託業法その他の金融商品の販売に関する各種法令に則って、販売業務を具体的にどのように進めていくかが、焦点となっております。
このような状況下、信託受益権販売業の登録に関連して、信託関係法令および信託業務に関する知識習得のための研修等を実施してきた、(社)不動産協会、(社)不動産証券化協会、当協会の3協会において、不動産信託受益権販売業務の手引書の作成作業を鋭意、進めてまいりましたが、今般、『不動産信託受益権販売業ハンドブック』として取りまとめました。
信託業法等の規制は、信託関連の業務全般に関するものであり、その中から、特に不動産信託受益権の販売業務を取り出し、また各種書式等を「ヒナ型」化することはかなり難しく、原則的には、各販売業者が各自の判断で法令等に則って業務を進めていくことになりますが、その際の参考資料として利用いただくという意味合いも含めて、今般のハンドブック作成となりました。このハンドブックが登録業者の方々等に幅広く活用され、不動産信託受益権の販売業務の円滑な実施、消費者等にとって分かりやすい取引の推進に、寄与していくことが期待されています。
なお、信託受益権販売に関しては、現在、基礎となる信託法そのものの改正作業が進められ、また金融商品の販売等に関しては投資サービス法の策定も議論されているなど、さらなる制度改定が見込まれており、当業界としても引続きその動向に注視していく必要があります。
『不動産信託受益権販売業ハンドブック』
目次概略
I.不動産信託受益権販売業の登録
- 信託受益権販売業者登録制度の創設
- 不動産信託受益権販売業の登録
II.不動産信託受益権販売業者の業務等
- 販売前に実施しておく事項
- 販売時に実施する業務等
- 販売に関する書類の作成・保存
- 信託受益権販売業務に関する報告書の提出
- 業務に関連するその他重要な法令
- 金融庁の監督、罰則等
III.不動産信託受益権売買の基礎である不動産信託契約
(参考資料)参考書式・例文等、信託業法等の法令・ガイドライン等
|