FRK会報
会報No.73(2005年MAY)

平成17年度 事業計画

平成17年4月22日に開催された、当協会の第36回定時総会において平成17年度事業計画が決定されました。以下に、その要旨を掲載いたします。
不動産業界は、国内景気の緩やかな回復基調を背景に、開発・分譲・流通・賃貸の各市場とも引き続き堅調な推移が期待されますが、一方で顧客による物件選別志向も一層強まっており、消費者ニーズに適合した、より的確かつ信頼される対応が求められております。

このような消費者の多様なニーズに応えて、買い替えによる居住水準の向上に寄与するとともに、不動産流通を活性化させることは、我が国経済に最も求められている内需の拡大に直結するものであり、大きな社会的要請でもあります。

国の政策面においても、昨年度は中古住宅の流通促進と市場拡大に向けての税制改正や市場機能の活用と住宅ストックの活用を柱とする住宅政策の道筋が「住宅政策改革要綱」において明らかにされ、また自由民主党においても中古住宅流通・リフォームの推進を含めた「住宅政策の抜本改革に向けた緊急提言」を発表するなど、不動産流通業界に対する各界からの期待はますます高まってきております。

本年度は以上の背景をもとに、税制・金融面など土地・住宅政策の更なる改善のための提言、不動産流通活性化に向けた諸施策の実施等に向け、以下の内容を主要課題として諸活動を実施することとしております。

1. 不動産流通を促進するための検討及び提言

(1)住宅政策の改革への対応

国土交通省は、昨年12月、今後概ね2年間を目途に「住宅基本法(仮称)」の制定を視野にいれた住宅政策の集中的な改革に取り組む方針を打ち出した。

当協会としては、これら住宅政策の改革において実施される諸施策に不動産流通業界の実情を踏まえて的確に対応するとともに、住宅基本法(仮称)を含めた新たな制度的枠組みに対しては不動産流通業界の立場から協会としての意見を取りまとめ意見具申等を行う。

(2)その他事業環境の整備

東京都が推進する「中古住宅流通活性化のネットワーク」形成など国の施策と関連を有する各種施策、東京都「賃貸住宅紛争防止条例」など賃貸事業をめぐる諸課題などに関しても協会として必要な対応を図っていくとともに、改正信託業法、改正不動産登記法など新法に的確に対応するため会員に対するタイムリーな情報提供、講習会・セミナーの開催など会員のニーズに応えた活動を実施する。

2. 住宅・土地税制改正の推進

平成18年度の住宅・土地税制改正は、平成17年度に期限切れとなる各種軽減措置の延長・改善及び平成17年度改正で見送られた耐震改修促進税制ならびに中期的な課題に関し、次の項目を中心に活動を展開する。

(1)不動産流通税、住宅取得資金等にかかる贈与税の特例措置の延長
(2)固定資産税に係る対応
(3)耐震改修促進税制の創設
(4)消費税等への対応

3. 安定的な住宅金融システムの構築と対応

平成18年度末の住宅金融公庫の独立行政法人への移行にあたり、国民の住宅資金ニーズ(長期・固定・低利、かつ分け隔てない安定的な供給)に応えうる金融システムが確保されるよう活動を行うとともに、安定供給の柱として期待される民間住宅ローン債権の証券化支援事業(フラット35)の普及に協力する。

4.「ホームナビ」事業の拡大・推進と不動産ジャパンの円滑な運営に対する協力

「ホームナビ」は不動産流通4団体で運営する「不動産ジャパン」や国内最大検索サイトである「ヤフー」等へのコンテンツ提供サイトとして、引き続き機能の強化などインフラ環境の改良を実施するとともに、個人情報保護法の施行に対応し、セキュリティレベルの維持・向上を図る。

また、不動産流通業界4団体が結集して運営する「不動産ジャパン」が消費者の利便性の向上や会員の広告効果の向上に貢献すべく、参加4団体と連携して適切な運営体制の確立に協力する。

5. 指定流通機構および支部の円滑な運営に努力

(1) (財)東日本不動産流通機構においては、「全国4レインズシステム統合検討特別委員会」が設置され、4レインズシステム統合の是非についての検討が開始されたため、当協会としても機構と併行して検討を行い、協会としての意見の反映を図る。
(2) 支部運営の充実・円滑化に資するべく支部との連携、支援強化を図る。

6. 実力アップ講座を核に教育研修活動を更に充実

「実力アップ講座」の一層の充実を図るとともに、「初任従業者教育研修」、「中堅営業管理職研修」を組み合わせた体系的な研修を実施する。

また、国土交通省が実施する「消費者への住宅ローン情報提供事業」に協力して「住宅ローン講習会」を実施する。

7. APREC(世界不動産連盟アジア太平洋地域不動産会議)大阪会議に参画

世界不動産連盟(FIABCI)日本支部としてアテネ総会に参加するとともに、9月、大阪において日本支部主催で開催されるアジア太平洋地域不動産会議(APREC)の運営に協力する。

8. その他の活動

(1)個人情報保護法への対応

平成17年4月より全面施行の個人情報保護法に向けて策定した「不動産流通業に関するガイドライン」について、活用の支援等を行うとともに、法律施行後の状況に応じて、的確な情報提供、実務的な対応事例の収集等を進める。また、個人情報取扱事業者としての当協会自らの個人情報保護体制の整備、推進を図っていく。

(2)不動産売買契約書等の標準書式の普及推進

取引の透明性、安全性を高め、会員各社が消費者からの信頼を一層獲得して行くことを狙いとして昨年11月に運用を開始した不動産売買契約書及び重要事項説明書等FRK標準書式について、会員会社が的確に利用できるようサポート体制の充実を図るとともに会員会社からの意見、要望を踏まえた改善、改良を適宜実施し、本書式の普及を図る。


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